大は小を兼ねない
作品紹介
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主人公“天空橋樹(てんくうばしいつき)”は生徒会役員で会計の仕事をやっている。進んで、役員になった訳でなく頼まれて断れなかったからだ。こんな性格のせいで色々と苦労することが多い。それでも劇的な人生とはほど遠く、平凡ともいえる毎日を送っている。ある日、定例会の日でも無いのに会長の屏風ヶ浦桜子に呼び出された。なんだか嫌な予感がして、少しばかり足が重くなる。彼女は学園で一位、二位を争う美少女であり、学業優秀の生徒会長。そんな姿から、彼女なしの男子学生の間では、『桜子マジ女神』と呼ばれていたりする。しかし、舐めてかかると火傷する。実際に、見た目につられて声をかけてくる軟派男を、手ひどくやり込めているところを何度も見たことがあった。生徒会室に入ると、仁王立ちしている彼女が目に飛び込んできた。「屏風ヶ浦さん、他の人は?」「用事はキミにだけだから。キミしか呼び出す必要はないでしょ?」どうやら嫌な予感が的中しそうだ。俺は一人、会長から仕事を頼まれることが多い。しかもそういう場合は大抵、無理難題だ。しかし屏風ヶ浦さんは何か言い淀んでいる。物事をすぱっと切って捨てる彼女にしては珍しい。そして、そんな彼女から出た言葉は、俺の予想もしなかった言葉だった。